山中コンサルティングオフィス

MD Watching

PAN999 ヘルシー&スローは鍋から

8月27日に行われたサン・ロレンツォ社のPAN999のプレゼンテーションに行ってまいりました。サン・ロレンツォ社は、1970年にミラノで創業した銀製品メーカー。ミラノにショップを設け、さまざまな芸術作品や宗教儀式用製品を発表してきました。1995年と1996年にはロンドンのヴィクトリア&アルバートミュージアムで展覧会を開くなど、デザイン性の高い物作りで注目されています。

そのサン・ロレンツォが、純銀の鍋PAN999を発表しました。純銀の鍋というのは、私たちの身体に大変なメリットをもたらすそうです。このことを知ったのは、今年6月のミラノメンズウィーク。尊敬する現地在住のジャーナリストの方から教えていただきました。その方は、サン・ロレンツォ社を長くサポートされた方で、日本でイベントを行うことを教えて下さいました。以下、その方の紹介文です。

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人々が食材にこだわり始めて日が経ちますが、それらを調理する道具についての理解はまだ不足しているとおもわれます。銀の調理具を使うことによって、鍋の表面から食材の酸化による金属ガスが食べ物に入り込むのを避け、細菌を寄せ付けず、健康な食べ物を作り上げることが出来る、という意味で、銀の鍋は大変に有用です。重要なレストランはすでに銀の鍋で調理をしていますが、一般の人々にはこの情報が行き渡っていないと思います。

昨年の万博のテーマがFOODであったことは、ご存じかと思います。その効果もあって、人々は食材そのものにおおいに関心と注意を向けるようになりました。

しかしながら、それらの選り優れた食材を使いつつ、調理器材は昔ながらの、アルミ鍋やステンレス鍋。あるいはテフロン加工の鍋。金属の性質を知らされることなく、市場に出回っている道具をそのまま使用しているというのが現状です。
純銀の鍋は、健康第一に考えられた鍋です。純銀は、高い抗菌性を持ち、食物の酸化がもたらす各種の悪性物質(これらが体内に蓄積されるとガンになります)を抑え、食物の発酵を助ける、しかも熱のまわりが早い。といった特性をもっています。
ミラノ工科大学の金属科学の世界的権威と組んで発明した数種類の特許を入れ込み、トビアスカルパによってデザインされた純銀の鍋は、最良の品質を保つ食材の調理になくてはならない道具なのです。

その上、純銀の鍋で調理した食材は、火が均等に回るために、その味はこれまでの調理器具による結果とは大きく異なっています。

素晴らしく美味しいのみならず、各素材の味が保たれ、煮崩れもなく、食材が一種の発酵作用を起こし、それが体内を回るために、食べた直後は、ワインを少量飲んだ後のような感覚を覚えます。

ともかく、同じ素材で調理しても、アルミやステンレス鍋ですと、冷蔵庫の外に放置した場合、2日後には、思わしくない状態に変わりますが、純銀の鍋で調理したものは4日目になっても変化が見られません。驚くほどの抗菌作用です。

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この紹介文を読んで俄然興味が出て、プレゼンテーションに行った次第です。プレゼンテーション会場は、九段下のイタリア文化会館。会場を入ると、銀の鍋のインスタレーションが目に入ります。このような製品だと、どうしても薀蓄(うんちく)型の展示型になりますが、とてもスタイリッシュ。ミラノで長く注目されるメーカーらしいインスタレーションです。

この鍋は、内側が銀で外側が鉄です。ミュランの星つきレストランや余裕のあるオーガニックレストランではすべて純銀の鍋を使っていますが、それだと100万円近くの値に。そこを銀と鉄を電着法(サンロレンツォ社の特許)で合体させ、手頃な価格と機能性(コンロ、オーブン、食洗き洗剤使用可能)を実現させました。

プレゼテーションの他に、お手前や純銀の鍋でこさえたフォンデュなどが振舞われました。

オーガニックの食材を使っても、調理器具に問題があっては、効果を得られない・・・。このことはとても衝撃的ですが、総純銀の鍋は手に入らない。PAN999はまだ日本では販売していませんが、ミラノのサンロレンツォ社から取り寄せることは可能だそうです。イタリアでの販売価格は、コップは230ユーロから、鍋は389ユーロから902ユーロだそうです。

同商品の問い合わせ先:サン・ロレンツォ社
Via Paul Cézanne 3 20143 ミラノ イタリア
www.pan999sanlorenzo.it

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本記事の情報は2016年8月27日現在のものです。

恐れ入りますが「山中コンサルティングオフィス」では同商品の問い合わせは致しかねます。上記URLから直接「サン・ロレンツォ」社へお問い合わせください。

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アパレル・ミーツ・クリエーター

今月は、アパレルメーカーの新たな可能性を感じるプレゼンテーションが2つありました。

一つは、瀧定大阪の「KATHARINE HAMNETT EST.1979」、そしてもう一つは株式会社ストライプのKOEとトムブラウンのコラボレーションです。

どちらも、いわゆる百貨店アパレルではなく、新たなチャネルで存在感を示してきた会社です。

瀧定大阪は、素材商社として江戸時代からビジネスを続ける老舗。近年は、オリーブデオリーブ、スタニングルアー、シアタープロダクツなどを傘下に収め、川中、川下への進出を行っていることで話題を呼びました。

今回ローンチした「KATHARINE HAMNETT EST.1979」は、大賀が手がける「KATHARINE HAMNETT LONDON」とは、別のもの。マルイなどの百貨店インショップでお馴染みのあのイメージとはまるっきり違うブランドです。ストリートのスピリットをまとったオーバーフィットなルックが印象的。ウィメンズコレクションですが、ユニセックスKATHARINE HAMNETTの持つアヴァギャルドなイメージは感じさせますが、ロンドンと東京をミックスしたようなイメージ。

そもそも「KATHARINE HAMNETT」自身はすでにデザイナー活動をしていませんので、どのようなアプローチで商品づくりを行ったのか気になったので、いろいろと情報を集めてみると、デザインしているのは東京のストリートモードの旗手として活躍している方のよう。デザイナー名は、未発表。その名前を聞いたら思わずうなるような方だそうです。

チャネルも、専門店、百貨店問わず展開してくそうで、ローンチはプレゼンテーションを行ったオープニングセレモニー原宿、ラブレス、そして西武百貨店の編集売場で展開していくようです。

この取り組みが新しいと思ったのは、クリエーションにあわせたチャネル政策です。百貨店アパレルがこれまでクリエーターを迎えてコレクションを組み立てても、百貨店の顧客がついていけない、受け入れないということが多くありました。

これは、百貨店と一言で言っても、店によって立地環境と客層が異なります。特に、新宿伊勢丹やうめだ阪急のような高感度で高価格のものが売れる店は、10店舗あるかどうかです。それ以外は、本当に保守的な顧客が中心でしょう。そこを百貨店アパレルという縛りで、チャネル展開をしていったことがその敗因でした。

今回の瀧定大阪の取り組みは、クリエーションとチャネル政策を上手く練り上げているといえるでしょう。

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そして、KOEとトムブラウンのコラボレーション。この両者の価格と感度のギャップに最初は驚きました。KOEは、岡山から始まったグローバル志向のSPA、まずは地方や中商圏立地に出店をし、東京を、世界を目指してきました。

トムブラウンは、NYのセレブリティに受け入れられてからNYファッション界、そして日本のファッショニスタに根強い支持を集めています。その売上規模はイメージより小さく、経営を拡大するため、2009年に株式会社クロスカンパニー(株式会社ストライプの前身)の傘下に入り、今はアメリカのファンドの投資し、新たな局面を迎えています。

この両者は、同じ会社のブランドでしたが、まるっきり別の経営戦略をとってきましたが、今回コラボレーションを行ったので、びっくりした次第です。

レセプションは、有楽町の阪急メンズで行われました。来場者は、コレクションのフロントロウの常連の雑誌編集長ら、そうそうたるメンバー。その方々が、嬉々として、このコレクションを買っています。彼らはKOEを知るはずもなく、トムブラウンがありえない価格(ジャケット2万6千円、ボタンダウン7千9百円、カーディガン8千9百円)で買えるという、モチベーションで買っていたように見えます。このように、トムブラウン好きの層には響いたようです。

まずは、東京と大阪の阪急メンズ、そしてネットでの販売ですが、KOEのレギュラー店舗でも展開する可能性もあるようです。SCブランドが、いきなりの都心百貨店でのコレクション発表。これも、チャネルに対する業界常識を壊す、新たな取り組みです。

アパレルがクリエーターで出会い、既存の枠にクリエーションを閉じ込めずに、新たなチャネルを拓く。こんな取り組みが、もっと登場して業界を元気にして欲しいものです。

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2016年NYレポート5 NYレポート 活況はWEB発、EC軸へ

NYのマンハッタンは人がいっぱい歩いています。観光客がワサワサと。百貨店や大手SPAもそれなりに人は入っていますが、公開されている情報をみると、どこも厳しいようです。

なかでも、路面店のファッションブランドオンリーショップは、閑散している店が多いようです。ラグジュアリーなどは、単価が高いですし、富裕層の上得意客の売上比率が多いですが、ベター〜モデレートグレードで空いた店をみると、心配になってしまいます。

その中、比較的賑わっている店を総括すると、EC軸、もしくはEC発の店です。ブランデイ・メルヴィル、ヴィニーヤード・ヴァインズのように、ECやWEBでの発信力のあるブランドや、EC軸のメガネ業態ワービィ・パーカーやボノボスなどが代表でしょう。

しかし、これらのブランド、商品を見て「うーーん、いいね」と思うようなものではありません。シンプルに、「買いたいと思わせる」マーケティングと、「買える」ためのマーチャンダイジングがしっかりしているのが活況の要因かと思います。

EC発、EC軸ということは、基本セルフです。セルフでも売れる商品づくりがしっかりとされている、つまり「買える」ためのマーチャンダイジングができていたのだと思います。それにプラスして、卓越なターゲティングでWEBやSNSで標的コミュニティに発信し、「買いたいと思わせる」マーケティングをしっかり行っているのでしょう。

WEBやSNSマーケティングが広がる現在、目的来店性が高い店と低い店の差はどんどん開いていくのではないでしょうか。

◆ブランデイ・メルヴィル

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◆ドント・アスク・ホワイ

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来店客が途切れない「ブランデイ・メルヴィル」(写真左)と客数が少ないアメリカンイーグルアウトフィッターズの「ドント・アスク・ホワイ」(写真右)は同ターゲットで同じSOHOブロードウェイに並ぶ

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2016年NYレポート4 色褪せるセレクトショップ業態

世界のファッションキャピタルに行くと楽しみなのが、セレクトショップチェック。ファッションビジネスのショールームであるNY。その期待は高まります。

しかし・・・。残念ながらセレクトショップで目をひくものはありませんでした。バーニーズやバーグドルフのような高級百貨店はますます洗練されています。しかし、中堅どころの後退が目立つ結果となりました。

スクープやジェフリー、インターミックスは、高級百貨店への差別的優位性がなく、OAKやアッセンブリー、ODDは自社ブランド開発に挑戦していますが、そのレベルはまだまだ。日本のセレクトショップのオリジナルのレベルには遠く及びません。

自社オリジナルシャツを軸にしたスティーブアラン、自社ブランド軸のドーバーストリートマーケット、メンズ軸にカルチャーを取り入れたODINは安定感がありますが、日本やロンドンの有力セレクトショップと比べると同等という感じです。

自由競争とデジタル先進国のアメリカ、コスト高のNYというビジネス環境からそうなったのでしょう。

元バイヤーがやる個性的セレクトショップなどもあり、日本の雑誌などで取り上げていますが、ビジネス視点でみると見るべき点は少ないと言わざるを得ません。

自由競争とEC拡大が進めが進むほど、パワーブランドを掴めるか、オリジナルを持てるか、という点が重要になってきます。無名だけどおしゃれなブランドを編集してリアルだけで売るというビジネスモデルは、マンハッタンやウィリアムバーグでは色褪せるどころか、淘汰されていくように感じます。中には、ECシフトを進め店を閉じる有名店も見られるぐらいです。

リアル店舗のあり方を考させられる現象でした。

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2016年NYレポート3 中グレードマーケットの充実

欧米は中グレードマーケットが希薄といわれ、そこが日本との違いと言われ続けていました。例えば、NYの一人あたりGDPは$69,915とされ、東京の$43,664(DEMOGRAPHIA社2016年データ)より、ぐっと高いですが、おしなべて高い理由でなく、所得格差があります。

それでも、中間層ニーズはあると思いますが、どちらかというとラグジュアリーブランドへのニーズが強いようです。プロパーではセカンドラインやでフュージョンラインですが、それでも高い。そのため、クリスマスセールやサンプルセールが爆発的に売れるのでしょう。さらに、現在のマンハッタンでは、ディスカウント型百貨店が幅をきかせています。ずっと成長してきたマーシャルやセンチュリー21に加え、ノードストロームやブルーミングデールズ、サックスなどもアウトレット型百貨店をマンハッタンに出店させています。

ジェイクルーやアンドアザーストーリーズなどの大手SPAなども頑張っていますが、ファッションはディスカウントによって中グレードマーケットが成り立っているようです。

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H&Mグループのアザーストリーズはミッドタウンに出店

一方、外食はディスカウントという理由にいかず、マンハッタンではストリートフードやテイクアウト&イートインといった中食が中グレードマーケットを支えてきました。ここに新たな流れがでてきたようです。

日本の多くのメディアに紹介され始めていますが、グルメなフードコートが注目を集めているようです。グランドセントラルのフードコート(ちょっと小さいけど)、ユニオンスクエア近くのユニオンフェア(カフェテリアとシームレスレストランのハイブリット)、ミートパッキングのガンズボートマーケット(観光客向けですが)などです。また、フィナンシャルディストリクトのラグジュアリーモール、ブルックフィールドプレイスのフードホールもグレードアップしています。

そして、前回のブログで伝えたとおり、イートイン&デリもアンダー10ドルで、グルメ&ヘルシーなものが増えてきています。

この中グレード、中間層の背伸びもあるかと思いますが、アッパー層の節約、リーズナブル需要もあるように思います。外食費が、安く済む東京と比べると、「フードホールで2000円?」「イートインで1000円?」と驚きたくなりますが、NYにおいては、リーズナブルな外食ビジネスが充実しつつあるように思います。

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ユニオンスクエア近くにできたフードコート、ユニオンフェア

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2016年NYレポート2 ヘルシー&スロー

NYの地元の客層を捉えているのはこのキーワードでしょう。健康のために時間をかける、そのようなライフスタイルを支える商業がぐっと増えています。この中心となるのは、アスレチックと食。アスレチックでは、その人気メニューもファッションのようにさまざまに移り変わり、それが大きな関心事に。ジム利用率が極端に低いとされる日本からするとピンときませんが、朝食を食べるのと同じようにジムに行くのだそうです。その言葉は嘘ではなく、NYの街を歩くとアスレチックウェアに身を包んだ人々を頻繁に目にします。

また、食もトレンドとされるものは、「ヘルシー&スロー」なものばかり、すっかりとNYに根付いた「WHOLE FOODS MARKET」や「TRADER JOES」の他、サラダの「Sweetgreen」、コールドプレスジュースの「JuicePress」、ギリシャヨーグルトの「Greecologies」、抹茶ドリンクの「Cha Cha Matcha」・・・。これらの特徴は、スローな「手作り」が基本となっていること。簡単に言ってしまうとスーパーであり、FFですが、産地や生産者がわかったり、目の前でつくってくれるもの。じっと待つのもの、贅沢な時間に思えるから、不思議です。

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Greecologiesのギリシャヨーグルトは濃厚で1食代わりに

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サラダのSweetGreenに並ぶトライベッカのビジネスマンたち

ファッションは、まさにアスレジャーがまだまだ健在です。火付け役である「lululemon」は、マンハッタン中に店舗網を増やし、そのバッグを下げている女性は、毎日数回は地下鉄でみます。「Nike」やスニーカーのチェーン店「Foot Locker」は女性業態をつくりアスレチック需要に対応。「Tory Burch」も「Tory Sports」という店を構えています。これらの動向を見る限り、ファッションとしての「アスレジャー」というより、地下鉄に乗れて、レストランにもいけるアスレチックウェアという感じです。ファッションからスポーツへのベクトルではなく、スポーツからファッションへのベクトルでしょう。好調要素の基本としては、機能性でしょうが、その上に街に映えるさりげなさと、見栄心に訴えられるさりげないアイコンも必要なようです。

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マンハッタン中でよく見かけるルルレモンのロゴ

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トリーバーチもアスレチックラインのショップを開発

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2016年NYレポート1 観光商業の上質化

NYメンズコレ取材&マーケットリサーチから帰ってまいりました。本日は、私が衣食住飲食の商業を視察して抽出した5つのキーワードについてお伝えしたいと思います。長文になるので、5つに分けて説明していていきます。まずは「観光商業の上質化」です。

2015年は5,830万人(うち1,230万人は海外からの観光客)が訪れた観光都市NY。しかも、6年連続で過去記録しています。街全体が観光地ともいえるNY。その規模はアップし、質も向上しています。東京の世田谷区程度の大きさしかないマンハッタンでは、キャパがオーバーし、お隣ブルックリンに観光商業が移っています。ミッドタウンよりダウンタウン、そしてブルックリンの方が上質な観光商業が多いようです。
ソーホーは商業センターとしての地位を確立。ヴィレッジもファッション商業は落ち着き、洒落た飲食中心となり、お洒落なエリアといわれたミートパッキングエリアは、もはやベタな観光地に成り下がっています。ウィリアムズバーグも目抜き通りのベッドフォードアヴェニューはダウンタウン化し、イーストリバー側に上質な観光商業は移り、さらに落ち着いた観光商業はグリーンポイントへと、奥へ奥へと映っています。

そして観光商業もどんどん上質化しています。ベタなお土産もの屋さんだけでなく、話題のカフェ、インスタ映えするスィーツ、街並みや自然と一体化したハイクラスなカフェなど、観光商業の上質化が目立っていっています。

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ハイブランドやセレクトショップに代わりアウトドアブランドが軒を連ねるなど大衆化が進むミートパッキングエリア

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ブロードウェイを中心に商集積が高まるソーホー

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土日のベッドフォードアベニューはも物凄い人混みに

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落ち着いた観光商業が多く見られるグリーンポイント

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2017春夏NYメンズ所感

NYメンズ取材終了しました!
取材した記事や画像はこちらにあります。ぜひ、ご覧下さい。
http://apparelweb-collection.tumblr.com/tagged/2017ss

こちらでは、NYメンズを終えた所感を述べていこうと思います。
「インターナショナルなファッション・ウィークではない」というのが率直な気持ちです。

1.国際的なブランドの参加が少ない

まずは、これにつきるでしょう。国際的なブランドで参加しているのは、「マイケルコース」「トミーヒルフィガー」 、「コーチ」、「ブルックスブラザーズ」ら。そして、同ファション・ウィークでよかったのも、これらのビッグブランドです。

「ラルフローレン」も「トムブラウン」も、「3.1フィリップリム」も、「マークジェイコブス」も、「アレキサンダーワン」もヨーロッパでメンズコレクションを発表しているため、同ファッション・ウィークでのコレクション発表はありませんでした。より国際的な場でコレクションを発表するのは、しごく当然。アメリカのトッププレスやバイヤーはヨーロッパに行っていますので。これは、東京と同じ現象かもしれませんが、NYはファッションキャピタルの先輩なので、残念であります。ロンドンのように、スターデザイナーを呼び戻す努力を期待したいところです。

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(写真 トミーヒルフィガー)

2.ローカルファッションの磨き上げが少ない
インターナショナルでないファッション・ウィークであれば、インディーズや新進気鋭のデザイナー、ローカルのビッグネームたちに期待です。これらは、NYのローカルファッションにどれだけ立脚しているかも重要な要素です。NYといえば、「エリートのパワースーツ」「ネオアメトラ」「コンテンポラリー」「ストリート」がメンズのローカルファッションでしょう。これらから生まれたブランドたちの、ショーやプレゼンテーションは魅力でしょう。

「パワースーツ」は、「ハート シャフナー マルクス(Hart for Hart Schaffner Marx)」が見応えありました。気鋭のデザイナー、「デイヴィッド・ハーツ」とのコラボで行ったプレゼンテーションでは、百貨店のスーツブランドという同ブランドのイメージを払拭しました。同じファッショングループである、ヒッキーフリーマンの不参加は残念でしたが・・・。
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(写真 ハート シャフナー マルクス)

「ネオアメトラ」は「トムブラウン」がその先駆けでしょう。日本で「シティーボーイ」とか「プレッピー」「アイビー」といった言葉が復活したのは、NYで起きた「ネオアメトラ」ブームがきっかけだと思います。「トムブラウン」に次ぐデザイナーとして注目されたのが、「トッドスナイダー」「オバディア&サンズ」などですが、今や、「オバディア&サンズ」は、ストリートモードにシフトし、「コンテンポラリー」ブランドとして私は捉えています。「ネオアメトラ」のブランドとして、NYメンズコレで随一の存在となったのが、「トッドスナイダー」ですが、もはやNYメンズの顔として風格がただよっていました。

Jクルーやバナナリパブリックのメンズもショーをやると盛り上がるとは、思いますが、彼らのためのメリットがどれだけあるかというと疑問でもあります。

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(写真 トッドスナイダー)

NYメンズの多くは「コンテンポラリー」を提案するデザイナーたちです。まだ皆が気づかなかったような、テーマやルック、テクニックを創造するクリエティビティはほとんど見られません。今の時代の空気を切り取ったコレクションが多く、残念ながらその多くは、数シーズン前のヨーロッパメンズで提案されたものが多いように思います。考え方を変えれば、トップトレンドをアメリカ向けに再編集したといえます。しかし、ここは世界一の大都会NY。マーケットから浮き出たトレンドを、形にするような提案が欲しいところです。

このような視点でみると「ジョンエリオット」はよかったと思います。スウェットのパーツブランド的に見られることも多いですが、モードとリラックスをミックスさせたコレクションは毎回、高評価。そして、今回は提案の幅を広げました。「リラックス」と「モード」をコンテンポラリーに表現するというのは、NYらしく魅力的でした。

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(写真 ジョンエリオット)

そして、期待の「ストリート」。バッドなストリートではなく、今はブルックリンやダウンタウンあたりのカルチャーと融合したストリートが気になるところです。このファッショングループでは、「HBA」や「オフホワイト」「パブリックスクール」があげられます。しかし、「HBA」「オフホワイト」のメンズはヨーロッパで、「パブリックスクール」はメンズコレが始まるよりも早く、NYでショーを行ってしまっています。セレクトショップのオリジナルレーベルや卸売ブランドがショーをやっていましたが、見応えはありません。

その中で注目は、「ランドロード」です。ブルックリン発のデザイン集団で、今回が2回目のショーでNYメンズコレ初参加です。ブルックリンというアイデンティティの使い方、トレンドのすくい方、テーマ編集ともに、緻密に作り上げてられていました。デザイン集団の中には日本人のクリエーターもいるようで、バランスよくまとまっていた。

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(写真 ランドロード)

このように、魅力的なショーやプレゼンテーションはありますが、荒削りだったり、トレンド追随でオリジナリティがなかったり、突飛すぎて意味不明だったり、というものが大多数でした。今後の改善に期待したいところです。

3.インターナショナルなプレス参加少ない

驚くほど、インターナショナルプレスが少ないです。日本の媒体が少ないのは理解していましたが、ヨーロッパメンズで見たインターナショナルなプレスたちを見かけることはほとんどありませんでした。1,2の現状が改善されないと難しいと思います。

今シーズンは、NYだけでなく、メンズコレ全体のあり方が問われました。ウィメンズとの統合、デザイナー交代によるコレクション発表の取りやめなどの要因もあります。そのため、そのような影響は元々弱いところにひずみが来てしまいます。その結果というように捉えてはいますが、ファッションビジネスの冠たる都であるNYのメンズ。もっともっと頑張って、インターナショナルなファッショウィークになってもらうことを願うばかりです。

Photo via Collection by Apparel-web.com

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17SSメンズコレ ランウェイではタックパンツはもはや基本

15年春夏メンズコレからランウェイから増えたツータック。17年春夏メンズコレのランウェイでは、タックパンツはもはや基本と思えるほど、多かったです。決してアヴァンギャルドなものでなく、落ち感のあるレイヤードやフリュイドシルエットなどのボトムスに自然と馴染む感じで登場しています。

この背景には、60年代のスラックスをキーとしたクラッシックなカジュアルルックが増えたことがあります。トップトレンドのユースファッションとは違って、もう少し落ち着いた大人っぽく洗練されたルックに組みいれられています。

アミ アレクサンドル マティッシュ(AMI ALEXANDRE MATTIUSSI)は、まさしくツータックパンツがキーアイテム。ドレープのきいた、ワンクッションのスラックスが数多く登場します。洗練されたシックなルックが持ち味のオフィシン ジェネラール(OFFICINE GENERALE)は、たっぷりとしたツータックパンツの他、ハーレムパンツの裾を細めにしたような逆三角形パンツが印象的。タックが入っていなくても、腰周りはゆったりしているものが多くなっています。細身のパンツは、ジーンズ以外では、ほぼ見かけませんでした。

高感度な若者マーケットで終わる可能性もありますが、おしゃれな大人男性にも広がれば、買い替え需要が起き、大きな商機になるかもしれません。

◆アミ アレクサンドル マティッシュ(AMI ALEXANDRE MATTIUSSI)
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◆オフィシン ジェネラール(OFFICINE GENERALE)
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via COLLECTION by Apparel Web

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17SSメンズコレ “落ち感”レイヤード

17SSのメンズコレクションで、キーワードとなるのが”落ち感”レイヤードです。ストリートやミックスがロングトレンドとなっていますが、17SSは縦にストンと落ちるようなシルエットや素材が新鮮です。メインの素材トレンドは、麻やざっくり編みのニットなど、シャリ感のあるものですが、その中に”落ち感”レイヤードが裏トレンドとしてあるように思います。

パリメンズデビューを果たした「ファセタッズム」は、ロングジレやトップスをキーにレイヤードルックを見せました。ピッティでショーを行った現地で人気の「ルチオ・ バノッティ」は、アシンメトリーや和モダンフィーリングをまとったルックを発表。人気上昇中のブランド「OAMC」はビッグシルエットと精緻なレイヤードを両立しましたが、それを叶えたのは、やはり落ち感だと思います。このように、伸び盛りの注目ブランドはどれも落ち感を大事にしています。

この落ち感により、ストリートカジュアルが、洗練されたモードストリートに格上げされた感があります。ルックのインパクトだけでなく、オーラーも手にいれたこの流れ。ウィメンズトレンドからきたものかと思います。これがメンズマーケットにどのように広がっていくのか注意深く見ていきたいところです。

◆OAMC

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◆ルチオ・ バノッティ
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(Photo by Ko Tsuchiya / via COLLECTION by Apparel Web)

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