山中コンサルティングオフィス

Fashion Business Column



コクのあるMD ないMD

商品力は、以下の式で表わすことができます。

「商品力=全体量×アイテム数×価格幅×鮮度+ストーリー+独自性」

掛け算で表している「全体量×アイテム数×価格幅×鮮度×ストーリー」のどちらかが0だと、商品力は0になってしまいます。はずは、全体量、アイテム数、価格幅、鮮度が基本用件です。ライフサイクルが進んでいない商品や業態などで行う総合型MDでは、この要素だけですみます。

しかし、ライフサイクル後期となった現在は、差別化型MDをとる必要があります。そのためには、ストーリーや独自性を付加しなければなりません。お客様の半歩~1歩先を行き、お客様へ先回りして提案する業態です。「どんなファッションテイストの人物が、どのようなライフスタイルを送るのか」というストーリー性が大事なのです。

そして、現在は、それだけでは差異化ができません。

重要な付加要素として「オリジナルティ」が必要なのです。「よくできているけど、コクのない店」ってありませんか?そのような店は、送り手の主張が見えないからです。

成熟し、安定した現在、独自性による差異化が、商品力アップの黄金律なのです。

文 山中健(YCO代表)

10周年を迎えて

皆様、新年あけましておめでとうございます。皆様のますますのご健勝とご繁栄を祈念しております。

私は独立して10年を迎えました。大手コンサルティング会社「船井総合研究所」を退社し、フリーランスで活動を開始した時は不安だらけした。しかし、その時、クライアント企業の社長から、「このままコンサルタントを辞めてしまったらもったいない、絶対独立されるべきです」と背中を押していただき、なんとか10年間仕事を続けることができました。

これも、クラアイント企業の皆様、パートナーの皆様、ブログやコラム読者の皆様、SNSフォロワーの皆様、そして前職で厳しくお教えいただいた先輩方のおかげです。本当にありがとうございました。

この10年間、さまざまな業態、業務を行ってまいりました。それらを、振り返ると業界の変遷を感じざるを得ません。

最初のころは、ポストバブル期に成長してきたプレイヤーがSCを中心に出店拡大をしていた時期です。そのため、立地評価やミステリーショッパーなどで、出店や店頭対応の診断が多かったようです。

また、中国が伸びていた時期だったので、中国企業へのコンサルティングも数年間に渡り行いました。その後、経済産業省の「アジア消費トレンドマップ」作成業務を通じ、ASEANへの進出支援を行い、昨年はマレーシアのクアラルンプールに、「YRCG(Yamanaka Reserh &Consulting Group)を設立させていただきました。

国内でのコンサルティングでは、顧問契約、プロジェクト(診断、リサーチ)、研修の3つの形式を通じて支援をしてまいりました。研修は、この10年間安定した数の仕事をさせていただいておりましたが、昨年より支援の数が増えてきています。

コレクションや小売トレンド、海外、ウェブマーケティングの最新情報をお伝えする内容に加え、商売の原理原則を伝えるものが増えてきています。これも、高度化した業界内で組織の知を高めようという流れかと思います。

10周年を迎え、次の10年を迎えられるよう、精進していきたいと思います。これからもよろしくお願い申し上げます。

文 山中健(YCO代表)

八百屋商売と呉服屋商売

洋服がライフスタイルの主役ではなくなってきている今、アパレル企業が異業種に進出するケースが増えているようです。
しかし、上手くいかないことも多く、その原因が長年の商売の体質に合わないため、というのもあります。

商売の体質とは何でしょうか。実は、商売の体質は経営指標に現れています。重要な指標が交差主義比率です。交差主義比率は、「粗利率×回転率」ですが、この粗利率と回転率のバランスが商売の形を示しています。

物販には、極端に言うと、「呉服屋商売」と、「八百屋商売」という2つの商売の形があると思います。「呉服屋商売」とは、回転率は低く、粗利が高い商売です。独自性のある商品を提供し、付加価値として、高い値入をするということです。ファッションはこのタイプが多いようです。

反対に「八百屋」商売とは、粗利は低いけれど、回転率が高いという商売です。いわゆる薄利多売というものです。こういうと聞こえが悪いですが、常に新鮮な商売ができているということです。生鮮食料品のビジネスはこちらが多く、スーパーマーケットなどがこのタイプです。

もちろん、「粗利率」「回転率」ともに高いのが、最もよいのですが、外食がこのタイプが多いですね。そのため、アパレル企業が参入するのでしょう。このようなタイプは、人件費をはじめとする販管費を効率に使う力、オペレーション力が物を言います。ファッション企業は、「呉服商売」なので、このあたりが苦手な企業が多いようです。

ファッションの業態でも、商売の体質が違う場合があります。インポートのラグジュアリーブランド、セレクトショップなどは「呉服屋商売」、衣料スーパーやヤングカジュアルショップは「八百屋商売」の体質に近いところが多いようです。

また、同じ業態の中にも、「呉服屋商売」と「八百屋商売」が混在していることもあります・

なので、仕入をする前の数値分析では、自店がどちらの商売の形なのかを捉えるとともに、自店の商品構成の中に、2つの商売の形が混在していますので、アイテムやブランド別に分析をしていくことが必要です。

どのアイテム(もしくはブランド)が、「呉服屋」なのか、それとも「八百屋」なのかを見極め、「呉服屋商売」と「八百屋商売」の構成比を決めていくということです。

例えばセレクトショップでは、インポートブランド、ファクトリーブランド、重衣料などは「呉服屋商売」、機動力のある当座買いメーカーや軽衣料が「八百屋商売」であることが多いようです。

「八百屋商売」の色を強める(=回転率をあげる)ということは、頻度品、客数アップを狙うということになりますから、軽衣料を中心とした「単品」比率が高まります。しかし、それだけでは、単価ダウンになりますから、「単品組み合わせ」のスタイリングを打ち出すことが必要となります。また、回転率があがるということは、商品投入回数を増やすということですから、高頻度仕入が可能な仕入先を増やしていかなければいけません。

そして「呉服屋商売」の色を強める(=粗利をあげる)ということは、目的品、単価アップを狙うということになりますから、「ブランド品」「高額品」「重衣料」の比率が高まります。スタイリングとしては「大人」「高級」もしくは「個性」を意識したものになります。
1年ぐらいまでは、この傾向の仕入れをしていた店が多かったですよね。時流に乗ったブランドを、よい条件で取引できる店は、よいのですが、今の景況からすると、自店に独自性を見出してくれる顧客数を確保できていることが、最大の前提条件となります。

しっかりと自店の「商売の形」を知り、戦略的な仕入れを行っていきましょう。

文 山中健(YCO代表)

あんぱんを探せ

前職の会社で、流通コンサルタントの先輩に教えていただいたことがあります。「単品」という概念です。単品とは、お客様の購買単位です。例えば、「アンパン」は多くのお客様の購買単位です。「アンパンが欲しいな」と思ってコンビニに行く消費者が、「○○屋のアンパンがいい」と思う消費者よりも多いのであれば「あんぱん」が単品です。言い換えれば、お客様の代替購買が可能な範囲を知るということです。そして、この単品で売れているものが売れ筋単品なのです。

それでは、アパレルで考えるとどうなるのでしょうか。実はアパレルはこの「単品」の概念が、シーズンやトレンドによって新たなものが生まれ、そして商品ライフサイクルによって細分化されていくのです。例えば、春先では、インナーとして使えるフーデット・トップス売れ筋単品であったとしても、次の秋冬は、もっと細分化されるかもしないですし、違った概念で単品が生まれるかもしれないですよね。これが、ファッションビジネスと他の流通ビジネスと大きく異なる点なのです。そして、それはかつてのように送り手の都合で仕掛けることが難しくなってくるのです。

そこで、この単品のくくりをデータから分析するのがアイテム管理と品番管理の間に位置づけられる「クラス管理」です。つまりSKU、個別品番のようなミクロな分類より上位の括り(=クラス)を見つけ、そのクラスでの売上分析と対策を講じるというものです。POSデータも技術改善されていますが、やはり重要なのは、MD責任者や現場の定性分析です。以外とこれをやっていない企業が多いようです。

小規模な店舗であれば、週に1度、売れ筋商品を持ち合って、「キテいる」キーワードを抽出して次週の対策を決める、複数店舗がある大所帯な企業であれば、売れ品番の写真などで確認して、次週の対策を決めるという場が必要なのです。

今、自店の「あんぱん」は何なのか、そしてこれからの兆しとなる「あんぱん」は何になりそうなのか、そしてそれは「いくら」で売れそうなのか、商品担当者と販売担当者でコミュニケーションを行うことが「クラス管理」を売上に結びつけるポイントなのです。

文 山中健(YCO代表)

タイムマシーンに乗る努力

ファッションビジネス、特に企画を担当される方はトレンドを読み解き、予測することが必要になってくると思います。そんな時「タイムマシーンに乗れたらなら」なんて思ったことはありませんか?

タイムマシーンに乗って未来に行って流行っているものを過去に戻って作る。または現在流行っているものを過去に戻って作るなんてことができれば楽ですよね。まさに、「ドラえもん」の世界です。

でも、現実はそんなことはできません。ただ、仕事の進め方で、ちょっとだけタイムマシーンに乗れるかもしれません。

まずは、過去のトレンド解説レポートなどを読んでみてください。その中で、自社に「来るトレンド」があると思います。それらを時系列で追ってみると、一定のルールを導き出せることがあります。それは、コレクションやストリート、先進店でのトレンドが自社の売上に影響する「時差」であったり、自社の顧客が指示する属性(カラーや柄、素材など)や因子(テーマ、ムード、フィーリング)だったり・・・。

企画担当の方は、今や新しいものを追うことに比重を占めていますが、過去の法則をある程度抑えることが必要です。

また、未来に行く方法も少しだけあります。素材展やコレクションの傾向を抑えることです。商品企画の担当者は業務の中に組み込まれていますでしょうが、仕入担当であるバイヤーや店長の皆さんは展示会に行って始めて傾向に触れるということもあるようです。

マーケットがトレンドに踊らされることはなくなったとはいえ、やはり素材展やコレクションで萌芽したトレンドが、マーケットに広がることは多いようです。

このように、タイムマシーンに乗る努力をすることで、企画精度を高めることができるのではないでしょうか。

ちなみにこちらは2007年のトムブラウンのレポート。タイムマシーンに乗ったかのようです。

文 山中健(YCO代表)

昔の自分に教えるように

このところ、「マーケティングやMD、バイヤーの基本を教えて欲しい」というご相談が増えています。そこで、そのような研修を行ってみると、「常識」と思っていたことも知らない層が増えていることを実感します。

仕入の現場でエクセルやウェブをそれほど使わず、電卓だけで仕事をしていた時代とは隔世の感があります。そんなに昔の話ではありません。10年ぐらい前の話です。

それだけ環境が整えられたのでしょう。今は、各社、データや分析帳票が自動的に作られ、担当者のデータ分析のアプローチはだいぶ楽になったようです。でも、その帳票がどのような考え方に基づいて作られているのかを知らないようです。

また、プライスポイントやプライスゾーン、ベンダー表などの言葉も使わなくなっているようです。これは、企業からも「座学よりも実践」を合言葉に、現場での教育を中心にした結果だと思います。それが10年以上続くと中堅の担当者が基本を知らなくなり、若手に体系的教えられなくなっているようです。

思えば、私も若手の頃は何も知りませんでした(今も精進中ですが・・・)。当時はMDやマーケティングの本はあまりでておらず、出ていてもどこか遠い話のよう気がします。

昔の自分に教えるように、コンサルティングや研修、そしてこちらのコラムで伝えられればと思います。

文 山中健(YCO代表)

セレクトショップ 「上が売れる店」「下が売れる店」

本日は「上が売れる店」「「下が売れる店」という話をします。

 

ここで言う、上・中・下とは、自店の取扱い商品の価格帯のことです。

通常は「中」が、売れるものですが、「上」や「下」に売上が偏る店もあります。

このような店は、売上の不安定さ、収益性の悪さなどの課題を抱えていることが多いようです。そのような店の対策方法の例を紹介していきましょう。

 

「上が売れる店」は、自店の取扱商品で上位の価格帯が売れる傾向がある店です。

 

このような店は、集客力のあるパワーブランドを持っている場合が多いようです。そのブランドが入荷するや否や売れてしまうような店ですね。そしてそのブランドの在庫が切れると売上がダウンしてしまいます。

 

すなわち特定のブランドに依存してしまっているのです。

 

仕入元との関係性が非常に強く、自店の販売力がある場合には大丈夫でしょうが、多くの場合、パワーブランドほど、力をつけて、直営店展開や、百貨店展開などを目指し、自店を卒業していきます。これは、セレクトショップという業態の運命です。

 

なので、ブランドは卒業していくものと考え、自店の独自属性を、反映させ、「別注企画」などの取り組みを増やしながら、自店のセレクト・企画力などに共感していただけるようなお客様を増やしていくことが必要でしょう。

 

続いて「下が売れる店」の話です。

 

本来売りたい価格が通らず、価格政策が崩れている場合に多いようです。「客数アップ商品」として、ワゴン展開や、期中セール展開などで、用意した商品が売れているというパターンです。

 

このようなお店の悩みは、「顧客づくり」でしょう。価格に反応されるだけのお客様は、もっと安い価格に流れやすい傾向にあります。そのため固定客化しにくいのです。

 

上価格にきちんと顧客がついていれば別ですが、下ばかりで商売するには、常に下価格で鮮度の高い商品を用意していかなければなりません。機動力と収益性があればよいのですが、なかなか長くは続きません。

 

説得力のある中価格を用意し、中価格の価値をしっかりと伝える小イベントなどを常に実施し、固定客化をしていくことが必要でしょう。

 

「中価格」が売れるというのは、自店にロイヤルティを感じていただいているお客様が多いということです。そのようなお客様は自店にとってかけがえなのない資産なのです。そのようなお客様をしっかりと固定客化できていれば、怖いものはないですよね。

文 山中健(YCO代表)

小売業 経営環境とプライスMD

「経営環境とプライスMD」についてお伝えします。プライスMDでの悩める点として、「価格幅をどれだけもつか」というものがあります。価格幅は絞りこんだ方が効率はよいのですが、絞りこみすぎるとチャンスロスが起きる恐れもあります。

価格幅は、店舗の経営環境によって変える必要です。考慮すべきポイントとして以下の3点があります。

 

1.商圏人口

2.取扱商品の購買頻度

3.商圏内における自店のポジション

 

の3点です。

 

順に説明してまいります。

 

1.「商圏人口が多ければ価格幅を狭く、商圏人口が少なければ価格幅を広く」

商圏人口が多い店舗は、価格幅を狭くもち、自店の得意とする価格帯に集中することが必要です。なぜなら、商圏人口が多いということは、競合相手が多いということです。このような競合環境が激しい状況では、お客様がそれぞれのブランドや店舗に対して買い頃価格を決めていることが多いのです。そのため、自店への期待が多い価格へ集中することが必要なのです。逆に商圏人口が少ない場合は、競合店が少ないことが多く、周辺住民の期待が自店へ強まりますので、幅広い価格の商品を求められることが多いのです。

 

 

2.「取扱商品の購買頻度が高ければ狭く、低ければ広く」

購買頻度が高い商品を扱っているのであれば、お客様の買い頃価格が決まってきますので、価格幅を絞りこむことができます。ただし、購買頻度が低くなるとお客様の買い頃価格が定まりにくくなるため、幅広く持つことが必要になります。例えば、ドレスシャツよりシューズ、キャミソールよりフォーマルドレスの方が価格幅を広く持つ必要があります。

 

 

3.「自店のロイヤルティが高ければ価格幅を広げられる」

商圏内一番店になることができれば、価格幅を広げることができます。一番店になれば、フリー客の来店が増えます。「新宿だったら伊勢丹」、「恵比寿でOL系だったらアトレ」というように、初来街の方でも頭の中に思い浮かぶような存在になると、幅広い層のフリー客を集客できます。そのような存在になれば、幅広い価格帯を取りそろえることができるでしょう。逆に、まだ知名度が低い段階であれば、自店の既存顧客が支持していだいている価格帯をしっかりと取り揃え、価格幅は絞りこみ、店の成長に合わせて広げていくことが得策です。

 

 

自店の商圏、取扱商品の購買頻度、そして商圏内における自店のポジションを冷静に見極め、一番支持していただいている価格を軸に広げるべきか、絞りこむべきかを決定していきましょう。次シーズンのプライスMDを考える上で、参考にしていただければ幸いです。

 

文 山中健(YCO代表)

小売業 プライスMDの原理原則

世界の共通用語である数字。そして小売にとって肝となる「プライスMD」。その「プライスMD」にも原理原則をお伝えしたいと思います。

ポイントは、「自店の支持されている価格を知る」「自店の支持されている価格に上下をつける」の2点です。

 

1.自店の支持されている価格を知る

 

(1)自店の支持されている価格とは

シーズンを通して最も販売数量の多い価格をアイテム別に探してみましょう。その価格が自店の支持されている価格です。お客様は潜在的に「自分自身の買い物予算」と「それぞれのブランド(店)の買い頃価格」を、大まかにもっています。購買経験の高いアイテムであれば、あるほど、その傾向は強まります。Tシャツや下着などの購買頻度と購買経験の高い商品にはその傾向が強いのは、実感されるでしょう。

 

(2)用途が異なれば買い頃価格は異なる

しかし、同じアイテムでも用途が異なると「買い頃価格」が異なりますので、注意が必要です。例えば普段着用するTシャツと、ファッションアイテムとして着用するTシャツでは大きく買い頃価格が異なります。今日の消費者は、価格と用途が連動していますので、同じアイテムでも、用途が異なるアイテムは、別のものとして管理することが必要でしょう。今、大事とされる「コト消費」。このコト消費を喚起させる最大のメリットは、異なる買い頃価格を生むことです。「コト消費」を喚起させて、単価アップさせるよう取り組むことができます。

 

(3)支持されている価格を維持する努力をする

自店の支持されている価格を知ったら、その価格に力を集中しましょう。その価格で、価値ある商品を仕入れる努力をすることです。このような厳しい状況では、その価格より下の価格を拡充したくなります。そのようなことをすれば、一時的に売上はあがるでしょう。しかし、その後に元の価格に引き上げることは、非常に苦労をします。支持される価格を、引き下げる時は戦略的に実行していくことが必要です。

 

2.自店の支持されている価格に上下をつける

 

(1)中心価格帯に心をこめる

中心価格帯は、最も支持されている価格帯の上下1マークの、3つの価格で構成します。例えば、5,900円が中心価格であれば、上の6,900円、下の4,900円を付加し、6,900円、5,900円、4,900円を中心価格帯とします。この価格帯は、自店の生命線ともいえる価格帯で、シーズンを通して、常に魅力的な商品展開をしていく価格です。この価格で、期中対応力のあるメーカーと密接な関係を持てるとチャンスロスを防ぐことができます。

 

(2)権威価格帯は、完全消化できる量に

中心価格帯より上の、自店のMDを魅力的に見せるためのものが、権威価格帯です。中心価格帯が、6,900円であれば、9,900円、8,900円、7,900円ぐらいが権威価格帯でしょう。この価格帯は、シーズン導入期にメッセージ性を伝えるためのものです。購買層は、感度が高い顧客が多いのが特徴です。イメージもよいし、説得力のある商品が多いので、ついつい発注しすぎてしまいますが、この価格帯のものは、無理をせず、マークダウンロスを生じないよう、完全消化できる量に抑えるのがポイントです。

 

(3)奉仕価格帯は、中心価格帯とは別の理由づけが必要

奉仕価格帯とは、中心価格帯より下の「理由あって安い」価格帯です。中心価格帯が、6,900円であれば、2,900円、3,900円、4,900円などが奉仕価格帯です。セール価格などである場合が多いと思います。しかし、景況の悪い時には、プロパーで奉仕価格帯を開発することが、有効な策となります。ただ、ここで気をつけたいのは、中心価格帯を侵食しない「理由づけ」が必要です。中心価格帯とは、用途(イエナカ用途、イベント用途、お土産用途など)や仕様(産地変更、装飾排除など)が明らかに異なる商材をあてこまないと、中心価格帯が低下し、「点数アップの売上ダウン」を招きますので注意が必要でしょう。

 

権威価格帯、中心価格帯、奉仕価格帯すべて、3つの価格を持つかどうかは、その店の取扱商品特性、経営環境によって異なります。しかし、中心価格帯を基軸にMDを組み立てていくことは、どの店舗にもいえることです。安易に中心価格を上下させることは危険なので、気をつけましょう。

 

 

文 山中健(YCO代表)

今こそ商売の原理原則を

はじめまして。ファッションビジネスコンサルタントの山中健と申します。現在、アパレルメーカーやファッション小売、百貨店、SCなどの皆様にマーケティングやMDのコンサルティングをしております。

今回、私どものサイトをローンチさせたことを契機にファッション業界のビジネスブログを始めさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

これまで、アパレルウェブのアパログ「MD WATCHING」をご愛読いただいた方もいらっしゃるかと思いますが、そちらではこれまで通り、マーケットトレンドやコレクションの情報などを伝えてまいります。

本コラムでは、商売の原理原則、気になる記事、コンサルティングやリサーチでひらめいた気づきやビジネスのヒントなどをお伝えできればと思います。

初回は、商売の原理原則を習得する意義をお伝えしたと思います。

現在、経営環境が変化のスピードが、先行きが見えない状況が続いています。このような時こそ、先人たちから受け継いだ「商売の原理原則」をしっかりと押さえ、基礎体力向上をしていくことが必要です。本ブログでは、不変である「商売の原理原則」を経営環境の変化に対してどのようにファッションビジネスに適応させるかをお伝えしていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いします。

文 山中健

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