山中コンサルティングオフィス

Asia Business Column

内閣府主催パネルディスカッション

1月12日(土)、ウェスティンクアラルンプールのグランドボールルームにて、平井卓也大臣(内閣府クールジャパン戦略担当)を交えたパネルデスカッションが行われました。

「日本・マレーシア両国の発展に向けてクールジャパン戦略から考える」というテーマの中、パネリストとして参加させていただき、以下の内容を放言・・・してきました・・。

(現状の課題)
日本企業が提示する下代とマレーシア企業が求める金額(コスト)には、15%から20%の開きがある。これは構造上の問題(多品種小ロット、OEM、利益構造、ビジネスモデルなど)。

これだけ開きがあると、マレーシアでの価格(上代)設定に転嫁せざるを得ず、自ずと一般商品がプレミアム商品の価格設定になってしまう。

ここで、日本製品の品質を担保に「富裕層マーケット」への売り込みを画策する動きがあるが、富裕層マーケットは世界で一番攻略が難しい市場。ラグジュアリーブランドがしのぎを削っているのを踏まえれば、一目瞭然で、信頼を買っていただくには時間と投資がかかることを見過ごしてはいけない。

商品を現地生産するのではなく、輸出するのであれば、最初からローカライズやカスタマイズができない前提になるので、マーケットインの視点にたった目利きによる商品選定が重要。

実際の売り場で商品を売る販売員が、豊富な知識で熱意を持って丁寧に接客してくれた記憶が17年間のマレーシア生活の中でほとんどない・・。売り場を構成する際、店員さんの販売力には期待できないことを想定して組み立てを考えるべき。

(ビジネスチャンス)
1人あたりのリテールスペースで、ペナン、首都圏クランバレー、ジョホールは、香港、シンガポールよりも面積が広い。中央銀行がショッピングモールの供給過多に警鐘を鳴らす中、2021年までに140の新しいモール建設が予定されている。

一方、2014年に0.5%だった EC 化率を2020年までに5%にする政府計画がある。EC 市場は毎年10%以上の成長が見込める成長マーケット。

今後、モール、EC の両方で商品の差別化が今以上に求められ、日本は宝の山として注目をあびる可能性が高い。マレーシア政府が取り組んでいるデジタルフリートレードゾーン構想も魅力的。

優れた商品の発掘プラットフォームに、マレーシアのインフルエンサー、日本の Youtuber をバイヤーとして巻き込み、自分たちで見つけたお宝商品を発信力で消費者に訴求する取り組みなどは面白いと思う。

(クールジャパン)
マレーシアの幅広い層が日本に親近感を持ったきっかけは、アニメや漫画だと言える。子どものうちに文化に触れておくことが大事。

遊びながら学ぶ日本の知育(Edutainment)には優れたコンテンツが多く、仕組みの裏で働く IT、先端技術に触れることで、子どもと親の両方が学び、遊び、技術で日本に強い関心を持つきっかけとなる。特に体験型のコンテンツは、非常にポテンシャルが高い。

とても貴重な経験をさせていただきました。主催者さまはじめ、関係者の皆様がたに心より感謝申し上げます。

YRCG マレーシアオフィス
石橋正樹

デザインが売れる時代

本日のランチで、ローカルレストランチェーンのオーナーと話す時間がありました。

店舗デザインはシンガポールの会社に依頼していて、1店舗あたり約10万リンギを支払うそうです。かなり驚きました。

しばらく前まで、ローカルビジネスでデザインにお金をかけるなど、聞いたことがなかったからです。やがて、少しずつ洗練されたお店ができはじめましたが、それはほとんど外資系の店舗でした。

失礼な言い方になるかもしれませんが、現実的に、ローカルビジネスマンのほとんどはかつて、デザインはコピーすれば良いと考えており、オリジナリティーにお金をかけるという発想はなかったように思います。

飲食業界も競争が激しくなり、価格と品質に加えて雰囲気も洗練させなければ売れない時代になってきたのでしょう。

この転換は、日本のデザイナーさんにとって、大きなビジネスチャンス到来だと思います。

YRCG マレーシアオフィス
石橋正樹

2019年希望の轍

あけましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします

日本で仕事始めを迎えられる方が多い中、こちらでは旧正月を祝う赤い色が、少しずつ街を彩りはじめました。

年に2度、新年を迎えることができるこの時期、1年の中でもっともわくわくする日々だなぁと実感しています。

講演準備のために、いろいろと調べ物をしている中、米商務省のページにおもしろいデータがありましたので、以下に抜粋してお伝えいたします。

Malaysia Country Commercial Guide
Last Published: 7/19/2018

インターネットユーザー数:
2,508万人(全人口の79%)

携帯電話加入者数:
4,132万件(同139%)

ソーシャルメディアユーザー数:
2,400万人(77%)

うち、ソーシャルメディアで携帯電話を使用:
2,200万人

フェイスブック利用者:
国民全体の80%

フェイスブック友人数:
世界平均の1.6倍

ビデオストリーミング利用者:
1,800万人

インターネット利用時間:
1日平均5.1時間

ソーシャルメディア利用時間:
1日平均2.8時間

スマートフォンでビデオ視聴:
1週間平均7.2時間

テレビ視聴:
1週間平均10.6時間

人気ソーシャルメディア:
フェイスブック、What’sApp、WeChat、ツイッター

Eコマース市場(オンラインショッパー人口):
1,600万人
*ASEAN Eコマース市場:8,700万人

携帯電話を使ったオンラインショッピング人口:
990万人(62%)

EC化率(2014年):
0.5%

EC化率政府目標(2020年):
5%

Top 3 Eコマースカテゴリー
・ Fashion & Beauty
・ Electronics
・ Sports & Hobbies

伸びているカテゴリー
・ Home decor and furniture
・ Household and groceries
・ Health and Supplements

越境 EC で好まれる国:
シンガポール、日本、米国、韓国

越境ECで好まれるアイテム:
日用品(39%)、ファッション & アクセサリー(23%)、希少アイテム(20%)、家電製品(7%)、電気製品(7%)、健康食品など(4%)

タイトルは本文とは関係なく、紅白のサザンオールスターズに感動したので、勝手に2019年のテーマ曲にしました。進みます。夢をのせて。がんばれ、オレたち世代。そんな年の瀬でした。

YRCG マレーシアオフィス
石橋正樹

ありがとう2018年

さて、季節感のないマレーシアでも年は暮れようとしています。なんとなく、過ぎた時間を振り返ってみたくなるものですね。

あれは、20代の後半だったと思います。職場の先輩に、まとまった休みをとれる時期になると決まって旅行を計画する方がいらっしゃいました。

当時は不思議でしょうがなかったので、素直に質問をぶつけました。すると、「石橋くんはまだ、日常の仕事で息がつまるような思いをしていないから分からない」と言われました。

仕事もプライベートも、プランに入っていないことにこそ刺激を感じていたのが、あの頃だったような気がします。非日常を求めていたというか、一方で、自分はこんなもんじゃないとか、ここが最終的な居場所ではないのだと、何かを探していたような気もします。

最近になって、ようやく「日常で息がつまるような思い」の意味が良く分かるようになりました。

来年から40代の後半にさしかかろうという今、ルーティンから離れることがかなり億劫で、曜日ごとに朝起きてからベッドに入るまでの内容を事細かくインプットして生活しています。

プラン通りの生活を終えると、週末にちょっとした達成感を得る。計画を立て、目の前にあることをこなし、それを積み上げていく。この繰り返し。たしかに、たまに息はつまります。でも、もう非日常の連続を睡眠時間を削ってでもリセットし続ける気力も、体力も、そして、そこにあった刺激もなくなってきているのかもしれません。

20代の石橋くんには、きっと退屈だと映る日々ですが、ルーティンも継続していれば、何かしらの成果が出るもんだと実感できる1年でした。

もしかしたら、尾崎豊の歌詞に陶酔していたころ、毛嫌いしていた大人の姿と重なるのかな。でも、刺激がないことや日常を重ねることに不安を覚えなくて良くなったのは、この歳の収穫なのかもしれません。これが、きっと人生の転換期なのでしょう。

大切なのは好奇心と向上心。20代から口にしている言葉をこれからも発信し続けます。

皆さんの2019年が素晴らしい年になりますように!

メリークリスマス

500キロの道のりを越えて車を走らせたとき、今となってはどんな会話があったのか、思い出す術もない。どういう胸中だったのか、誰かに的を得て説明することもできないだろう。

長女が大きな期待に包まれ、ときおりわずかばかりの不安をのぞかせながら、後部座席で美しく目を輝かせていたのを覚えている。次に駐車する場所で、シンガポールでの高校生活が始まる。

入学式を見届けた後、3人で高速道路をマレーシアへと向かう。行きは4人いた車内が、むだに広く感じる。15年間、指定席だった場所が空いたのか。国境を超えたあたりで、急にさみしさが募る。長い長い6時間、ひたすらハンドルを握った。

夫婦で何度、次女に向かって「あなたがいてくれて良かった」と繰り返したか分からない。日が暮れた頃、見慣れた景色が暖かく迎え入れてくれても、いつものように、「ただいま」という気にはなれなかった。どうして良いかわからない。ぽっかり空いた胸に、次女の存在だけが、大きかった。

2018年12月22日。あれから3万キロばかり走った愛車が、再びシンガポールに向かった。帰り道、高校での寮生活を終えた長女が後部座席にいる。ドライブインでおくさんとトイレにいく長女がいる。ガソリンスタンドで飲み物を買ってくる長女がいる。3人だった食卓に、チャーハンからネギをどかす長女がいる。次女が、嬉しそうにノンストップで話している。

来年の4月からは大学へと旅立つ長女。この3年間、本当にたくましかった。大きく、大きく成長してくれた。何度も、何度も、白髪が増えてきた親父を奮い立たせてくれた。3カ月間、みんなで一緒に過ごそう。今度送り出す時には、もう少し強くなっておくから。

年の瀬の下方修正とキャッシュレス覇権

世界銀行は18日、マレーシアの2018年度 GDP 成長率を4.7%に下方修正しました。ダウングレードは10月に続いて今年2度目で、7月の最初の発表時は、5.4%成長と予測していました。

前政権が残した債務を穴埋めする目的で、政府が歳出と公共投資を制限していることに加え、民間投資も伸び悩んだようです。

実際、政府は国営石油会社ペトロナスから300億リンギの特別配当を受けるのですが、この額は GST や所得税の還付総額370億リンギの補填として消えるそうです・・。1MDB といい、いろいろファイナンシャルスキャンダルが・・・。

来年のことを考えると、消費活性化と観光客の伸びがカギになりそうです。そういうこともあり、2019年でキャッシュレス化が一気に進むんじゃやないかと思い、少し調べ始めたところです。

85.7%:インターネット普及率
85.1%:オンラインバンキング普及率
81%:銀行口座取得世帯
75.9%:スマートフォン普及率
74%:デビットカード普及率
40%:モバイルバンキング普及率
41%:銀行口座貯蓄率
28.4%:スマートフォン決済利用率
21%:クレジットカード普及率

2017年の例でいくと、電子マネーの取引額は91億リンギとクレジットカードの1,256億リンギに及びませんが、取引件数はクレジットカードの4億600回に対して、電子マネーは18億回と圧倒的に多いので、ポテンシャルは高い。

不正対策と POS ターミナルの整備が進めば、もしかしたら、1年後には現金がほぼ必要なくなるかもしれません。

プレイヤーも群雄割拠。覇権争いの行方も気になるところです。

YRCG マレーシアオフィス
石橋正樹

英語は変換力

週に1回ずつ、朝からマレーシア人メンバーに日本語、日本人チームに英語を教えています。使っているテキストから、今週の例文に以下のものがあり、考えさせられました。

スリッパをはいたままタタミの部屋に入ってはいけません。

皆さんなら、どう訳しますか?

一般論として、日本人が一番ひっかるのは、「スリッパをはいたまま」という部分じゃないかと思います。

忠実になろうとすると、訳に時間がかかる場合があります。でも、実際の現場では待ったなしです・・・。どう言うんだっけ、と頭を悩ましていては余計にあせってしまい、さらにパニックになってしまいます。

こういうときに、自分の知っている単語優先で日本語の文脈を置き換えて考える。これを変換力と定義してみました。

Please take off your slippers before entering Tatami room.

日本語の例文には、「スリッパを脱いでください」とは一言もありませんが、これを聞いた外国人は、例文で意図した通り、スリッパをはいたままタタミの部屋に入ることはないと思います。

Take shoes off ならとっさに頭に浮かぶ確率も高いですし、「スリッパをはいたまま」という部分の英訳にチャレンジする必要がなくなります。

ちなみに教科書の回答には、こうあります。

You must not walk on the tatami in your slippers.

クイズを解くときのように、即座に対訳が思い浮かべば良いですが、そうではない場合、知っている単語中心で文章を考えようとチームに伝えたところです。

再開するためのパワー

しばらく海外出張が続き、オフィスを離れていたこともあり、ブログがとだえてしまいました。

不思議なもので、ルーティンからはずれてしまうと、書くきっかけが見つからなくなります。ネタがうかばなくなりました。

出張中は移動も多いですし、人さまとご一緒する機会も増えます。ですが、書くのに十分な時間がなかったかというと、パソコンに向かう配分は普段と変わりなかったように思います。

物事を継続することは難しいといわれますが、それは途絶えたものを元に戻すのが困難であることを同時に表すことかもしれません。

ボクシングの辰吉丈一郎さんが、ドキュメンタリーで語っているのを以前に見ました。現役にこだわる辰吉さんは、凍えるほどの寒さであろうが、雨が降ろうが、たとえ熱があっても朝走り続けるそうです。

続けられない理由を探さないこと。

今日からまた、継続を始めます。

YRCG マレーシアオフィス
石橋正樹

Ba・Ka・Ya・Ro・U

マレーシアで最も市民権を得ている日本語といえば、上位を争うのはどんな言葉になるでしょうか?

配車サービスの Grab を利用するのですが、こちらが日本人だと分かると、知っている日本語を披露してくださるドライバーさんに出くわすことがよくあります。そういうときはだいたい、「ありがとう」か「もしもし」の2つの単語が並べられることが多いです。

ランキングの番外編として印象に残る言葉が「ば・か・や・ろ・う」で、今回はこのばかやろうがテーマになります。

奇をてらう意図があるのかどうかは定かではないのですが、特に車内で悪いことをしでかした覚えはありません。ただ、彼らがその言葉を披露したいだけなのです。深い意味はありません(きっと)。良い言葉ではないだけに、どこで覚えたんだろうといつも不思議に思っていました。日本でも、ビートたけしさん以外が使っているのをあまり聞いたことがありません。

先週の金曜日、アジアでインフルエンサーのマネジメントを広く手がけるWebTVAsia の副社長さんと打ち合わせをする機会がありました。彼がプレゼンで使用した動画をみて納得しました。Grab ドライバーさんの言葉はここからきていたんだと・・・。

これは、東京盆踊り2020という動画です。ビデオの最後で、お相撲さんが「Ba Ka Ya Ro U」と3回ほど繰り返します。

WebTVAsia がマネジメントする Namwee というマレーシア人のシンガーソングライターが作成したビデオクリップです。日本を紹介する内容なのですが、本日現在、4,500万回以上再生されています。たくさんのマレーシア人が視聴しているようで、うちのスタッフも知らない人はいないほどです。

日本人が英語をうまく話せないことをコメディタッチで描いていて、コメント欄にざっと目を通す限り、各国の人々の反応は悪くないようです。

その中で、日本人と思われる方のコメントを紹介します。

「日本人としては、ちょっと違うなと感じるところはあるけど、日本全開で良いし、こうやって海外のアーティストが真剣に日本をアピールしてくれるのは嬉しい!」

まさにおっしゃる通り。

日本人がこの動画をご覧になると、このコメントのように賛否両論分かれると思います。「バカにされた感じがあって、日本人が伝えたいイメージではない」というのが否定派、「このインパクトで外国の方が日本に興味を持ってくれるのであれば、ありがたいこと」というのが肯定派の代表的な意見になるのではないでしょうか。

ビジネスを行なっている身としては、お客さまに認識していただくこと、興味を持っていただくことにはいつも苦労していますし、様々な知恵を使って日々努力しています。興味を持っていただけた方なら、こちらが伝えたいメッセージを受け入れてくださる可能性が増します。

Namwee と企画して、次は感動バージョンなどを作るのも1つの方法かもしれません。最初から美しいストーリーを作り上げても、4,500万回の再生にいたるまでには相当な時間がかかることが予想されます。

実際、Namwee というアーチストは、炎上覚悟で話題性のある音楽や動画を作成して有名になった人として知られています。マレーシア国歌のパロディー版を発表して批判を浴びたり、イスラム教を冒涜したとして逮捕されるようなビデオも製作しています。

D & G の中国での大失態が世界中で大きな話題となっている昨今ですので、もちろんリスクマネジメントには細心の注意を払わなければいけません。学ぶことが多い1週間でした。良い週末を!

YRCG マレーシアオフィス
石橋正樹

一面を飾った大事件

本日の現地英字紙です。トップに大きく写真が掲載され、3面に詳しく記事があります。

日本関連の記事がトップにくるのは、珍しいことだと思います。それほどのインパクトがある内容ですね。

写真のキャプションには、栄華からの転落(Fall from grace)とあります。

・事件を受けて、日産と三菱自の株価が急落
・ゴーン容疑者が自ら選んだ CEO から告発されたこと
・権力が長年にわたり1人に集中していたこと

上記が記事の柱になっています。ゴーン容疑者のスペルが、Ghosn だということも初めて知りました・・。

ちなみに、マレーシアでは日産車は華人系財閥のタンチョングループ、三菱自は現地子会社、ルノー車はタンチョンの子会社 TC Euro Cars がディストリビューターです。

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