山中コンサルティングオフィス

Author Archives: ishibashi

About the author...

通信社勤務を経て、2004年にマレーシアでビューティー事業会社設立。アジア各国メディアとの人脈と起業経験を生かし、商業施設リサーチ、ビジネスマッチング、販促マーケティングでコンサルティングを行う。美容室 76 STYLE を経営するほか、美眉 & 美まつ毛専門サロン3店舗、飲食業4店舗のアジア出店を支援、実現した。また、日本企業のフランチャイズ展開を香港、マカオ、東南アジアで現地企業との間でまとめた。

遠慮は無用 /大げさで、ようやく通じる交渉術

遠慮は無用 /大げさで、ようやく通じる交渉術
「できるだけ、ご意向にそえるようにします」。 この言葉を何度も聞いていると、これは日本では好意的に受けとめられるフレーズではないかとの疑問がよぎる。何度も耳にしてきたのは、海外での交渉の現場。当然、思考は英語モードに切り替わっている。

 

英語は決して得意ではない。ただ、コミュニケーション力は 磨くよう常に心がけてきたつもり。相手の思考に近づけるよう、無意識のうちに訓練がなされていたのかもしれない。結果として、交渉や通訳で現場に入るときには考え方が日本人離れしていることが多いようだ。師匠にも良くご指摘をいただく。

 

無鉄砲にもクアラルンプールで起業したのが7年前。日本で事業を起こした経験など、もちろんない。交渉や取り引きの相手は、ほとんど中華系かインド系の人々。従って、経験値からお伝えする内容には日本的な常識が著しく欠落していることは自他ともに理解している、きっと。どうか 片目を 共につぶっていただきたい。

 

■誠意は最後に

さて、その上で冒頭の言葉。「逆に、そちらはどのようにお考えですか?」も同様だが、商談のあまりにも早い段階で出てくると小さな違和感を隠しきれない。アポをとって先方のオフィスに乗り込んでいるにも関わらず、開口一番か二番くらいで「とにかく、できるだけご要望にお応えできるようにしますので、何でも仰って下さい」では、その数分後にその場を後にすることになってもきっと不思議ではない。

 

理由は2点。まず、試合巧者は自分から先にカードを切るようなことはしない。できるだけ情報を引き出した上で、どうすれば優位に立てるかを常に考えている。次に、商談の場で異国の相手が期待しているのは、どういうメリットをもたらしてくれるのかということ。

 

「今は具体的な提案はできないけれど、将来、何かあれば」という話なら、勤務時間よりパーティーの場か、席が偶然隣りになった飛行機の中の方が喜ばれるかもしれない。

 

では勝つためには?

 

提案する内容を精査し、相手にとってメリットになりそうな部分を冒頭にもってくる。日本人ならちょっとひいてしまうくらい大げさに語る。同じことを違った角度から繰り返し 、相手が食いつくポイントを探る。反応があれば、できるだけ長く話してもらう。心中を引き出す。

 

「そちらは、どのようにお考えですか?」は議論が半ばで出つくし、膠着(こうちゃく)した状況を切り返すときに有効。恐れ多くも付け加えると、「こちらがどうと言うより、できるだけ合わせますから」が早過ぎると、何の提案もできないのではないかと誤解される危険性あり。

 

日本人にとっての切り札は、巧妙な駆け引きではなく相手を思いやる気持ちだと思う。心のこもった一言は、別れ際にがっちり握手を交わすタイミングで伝えた方が効果的かもしれない

文:石橋正樹(YRCG COO)

第2次ナジブ内閣

次世代占う二世人事

 

なんだか、政治ブログのようになっていますが・・
ナジブ首相、2期目の内閣が発足しました。

要点をまとめると、総選挙で惨敗した華人政党 MCA が、党の
強い意向もあって入閣なし。多民族国家として組閣人事に民族
融和を図ってきたマレーシアでは独立以来初の華人政治家不在。

ナジブ首相は、運輸省のポストを防衛相との兼務にする形で、
「MCA のために空けておく」と秋波を送っていますが・・・、
このままでは火種になりかねないとの指摘も。

唯一、閣僚入りを果たした華人 Paul Low 氏は汚職撲滅活動家
で、マレーシア最大手行メイバンクの頭取と共に首相府相に抜
擢された。今回の目玉人事といえる。

マハティール元首相の三男ムクリス氏が、クダの州首相という
強力なポストに就いた一方、その元首相との関係があまりよろ
しくないと伝えられているカイリー・ジャマルディン氏が、ス
ポーツ青年相として初の閣僚入りを果たした。

アブドラ前首相の娘婿にあたるカイリー氏とムクリス氏は、共
に与党内の若手ホープとして期待されているものの、強いライ
バル関係にあることでもしられる。

16日に発表された第1四半期の GDP 成長率は4.1%と、輸出
不調を主因に過去3年間で最低。ナジブ新政権の手腕に注目が
集まる。

http://online.wsj.com/article/SB10001424127887324767004578484671702885706.html

http://www.reuters.com/article/2013/05/15/us-malaysia-cabinet-idUSBRE94E0LP20130515

文 石橋正樹

マレーシアの将来は?

総選挙 GE 13 総括

 

独立後初となる政権交代の可能性で注目されたマレーシアの
第13回総選挙は6日、早朝に結果が発表されました。

・投票率は過去最高の80%
・与党連合は下院で改選前から7議席減の133議席
・一方の野党連合は、同7議席増で89議席
http://www.malaysiakini.com/news/229340

マレー系を含むブミプトラが有権者の7割以上を占める非都
市部のペルリス、パハン、トレンガヌ、クランタン、サラワ
クの5州では与党連合が議席総数の67%を獲得。

対照的に、都市部のクアラルンプール、セランゴール州、ペ
ナンでは野党連合が議席総数の78%を抑えました。
http://www.bloomberg.com/news/2013-05-06/anwar-s-malaysia-leadership-quest-derailed-in-rural-heartland.html

政権交代には至らなかったものの、野党の得票率が50.8%
となり、与党は44年ぶりに50%を割り込みました(44.7%)。

得票率で下回った与党がより多くの議席数を確保できたのは
小選挙区制の特性と、与党連合の地盤が強い農村部に多数の
議席が配分されていたことが影響した結果と言われています。

民族間の対立を危惧する声も聞かれますが、都市部と農村
部の乖離も激しいようです。
http://www.nytimes.com/2013/05/07/world/asia/07iht-malaysia07.html?_r=0

前回のブログでお伝えした DAP のリム・キッシャン顧問が、
ジョホールで州首相を4期務めた与党連合の重鎮を破るなど、
華人系国民の支持を受けた野党 DAP の躍進が目立ちました。

与野党逆転による先行きの不透明感を嫌った投資家の心理を
反映したのか、翌7日の株式市場、マレーシア通貨リンギは
共に高値で取引を終えました。
http://edition.cnn.com/2013/05/02/world/asia/malaysia-election-preview

野党は、「選挙に様々な不正があった」と政府与党を糾弾し
ていますが、選挙管理委は選挙結果が覆ることはないと早々
と宣言しています。

今日(8日)にも野党による4万人規模の抗議集会が行われ
ると伝えられていますが、暴動などに発展する可能性はなさ
そうです。
http://www.reuters.com/article/2013/05/07/us-malaysia-election-idUSBRE9460EM20130507

これから何が起きるかですよね?

すでに、マハティール元首相がナジブ首相のリーダーシップ
に失望したとのコメントを発表するなど、与党内からは首相
への不満が出始めています。
http://www.straitstimes.com/the-big-story/asia-report/malaysia-elections/news/story/mahathir-says-did-not-expect-najib-do-worse-

一方、汚職や腐敗を嫌った有権者の多くが野党に流れた今、
同じ与党内の若手政治家は改革の推進が不可欠と訴えていま
す。

アブドラ前首相の義理の息子で、与党青年部のカイリー・
ジャマルディン部長はツイッターで以下のようにコメントし
ています。

「昨日(日曜日)の出来事は、猶予を与えられたにすぎない」
「BN が変化を示さなければ、国民は最後通告を突きつけるだろう」
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/79964aa8-b617-11e2-93ba-00144feabdc0.html#axzz2SeaCeeuy

ガソリンの補助金カットや消費税導入など財政再建には避けて
は通れない政策で、新内閣が党内をまとめられるかが注目され
ます。

中核与党の UMNO は、今年末にも党大会を予定していますが、
舵取りがうまくいかなければ、首相退陣を巡る攻防が焦点になる
かもしれません。

もう1つ、直近で問題があります。

与党連合の中で惨敗した華人系政党 MCA の党首が、今回の結果を
受けて、同党は入閣ポストを辞退すると発表したのです。

これまで与党連合は、組閣時に華人系やインド系の割り当てを用意
することで、民族融和を図ってきました。

独立以来56年間、与党連合による政権が覆らなかった歴史を考える
と、同じ華人系政党でも野党 DAP から閣僚が出るとは考えづらい
ところです。

MCA は、党大会を待たずに即時辞任するよう党首に求める声が党内
で急速に高まるなど、すでに分裂状態にあるとも伝えられています。

2期目のナジブ政権は、閣僚人事から難しい船出を迫られそうです。

文 石橋正樹

激戦カウントダウン、あと5日

マレーシア運命の日

 

ほぼ毎日、選挙関連の不正疑惑告発に対し、選管や当局が火消しに
追われるという報道が続いています。

マレーシアにとって運命の投票日は、あさって5日に迫っています。

「UMNO(中核政党)大幅議席減:シンクタンクが予測」
#GE* UMNO will “lose a lot of seats”, says think tank

週刊経済誌の The Edge が3日、ショッキングな見出しで分析記事を
掲載しました。

国立マラヤ大学が行った調査結果をもとに与党連合の劣勢を伝えると
ともに、政府が大幅に改善したと主張する貧困率(1.7%)についても、
実際は19%だと疑問を投げかけています。

なぜ、この記事がショッキングなのでしょうか?
それは、主要メディアの報道と比べると良く分かると思います。

国営通信ベルナマ
「インド人社会は首相の政策に感謝を」

最大手英字紙 The Star
「与党完全勝利宣言、セパン地区で:ナジブ首相」

大手英字紙 New Straits Times
「ナジブ首相、プトラジャヤ復帰(政権維持)に自信」

国営通信はともかく、The Star 、New Straits Times ともに与党連合
の一角を担う政党が大株主です。

これまでの選挙では、テレビやラジオなど他のメディア媒体も含め、
メインストリーム以外の報道を目にすることは非常に稀でした。
選挙期間中はプロパガンダ報道の一方通行が常だったわけです。

The Edge は、日本で例えるなら週刊東洋経済みたいなもので、ビジネス
エリートには人気ですが、政治論評を大衆に伝える媒体ではありません。

それが、Yahoo の選挙特集ページに掲載されていたのを見つけたので、
その変化を個人的にショッキングだと感じたわけです。

ショッキングと言えば、マハティール元首相のブログも、その1つで
しょう。

今回注目される選挙区の1つにジョホールのゲラン・パタ(Gelang Patah)
地区があります。

なぜジョホールが重要なのかということを書くと長くなるので割愛しますが、
ゲラン・パタは同州の中でも有権者に占める華人比率が高い地区としてしられ
ています。

これまでは与党連合の一角である華人政党 MCA が支持を得ていた地域なので
すが前回の選挙と同様、今回も華人系国民の MCA 離れが深刻化しています。

ジョホール奪取を目指す野党 DAP は、同党の重鎮リム・キッシャン元党首を
同選挙区の候補に擁立。防戦に追われる与党連合は MCA をあきらめ、現職の
ジョホール州首相(マレー系)を対抗馬に選んで戦いに応じているという構図
です。

DAP の戦略に対し、マハティール元首相はリム・キッシャン氏を名指しで
批判。ブログの中で、「民族対立を煽動する行為」だと糾弾しています。

これがきっかけとなり、リム氏の名前は検索ワードの上位にみられるように
なりました。

まさに民族対立というのが、今回の選挙の、いやマレーシアの歴史の大きな
大きなキーワードなのです。

1969年、選挙戦の結果に伴うマレー系と華人系の民族対立によって、国会は
1年以上空転、暴動によって300人以上の死傷者が出たと伝えられています。

この暴動がきっかけとなり、マレーシアは世界でも例のないマジョリティを保
護するブミプトラ政策を導入、華人系の国民もこれに同意し、与党連合内の華
人政党を支持するようになりました。

皆さんの中には、1998年に起きたインドネシアでの暴動が記憶に新しいかも
しれませんが、マレーシアでも過去に悲劇が起こっています。

44年経った今年の総選挙。

汚職や腐敗の追放に続く焦点の1つが、このマレー人保護政策だと言われてい
ます。

ブルームバーグの記事中にある、上場企業の華人系創業社長のコメントが象徴
しています。

「なぜ華人が政府に反発するのか?理由はとても簡単です。子供たちの世代
に、教育、就業、ビジネスの機会を奪われた私たちの苦しみを味わってほし
くないのです」

野党連合を率いるアンワル元副首相は、現状のマレー人保護政策を見直すと
公言し、華人系の支持を集めています。

一方、1997年の通貨危機の際、IMF の管理下で緊縮財政に踏み切るべきだ
と主張したことで、ときのマハティール首相に対立したアンワル副首相に対
し、西側諸国の傀儡だと批判する向きもあります。

様々な憶測が飛び交う中で気になるのは、大方の選挙予測がいずれも僅差で
それぞれの優劣を伝えていることです。ほぼ毎日、不正疑惑が報道されてい
る状況です。拮抗した選挙結果が報じられると、非難合戦が一層過熱する恐
れも否定できません。

カリスマ的指導者のアンワル元副首相は65歳と高齢で、5年ごとに行われる
総選挙に挑むのは今回がラストチャンスとみられています。

最後にもう1つ。非常に珍しい記事を見つけました。出所は MSN。
Wajahat Ali という、パキスタン系のアメリカ人イスラム教徒が書いたアン
ワル元副首相への独占インタビューです。

なぜ、珍しいかというと、その説明には記事中のアンワル元副首相のコメント
を引用することにします。

「投票日まで残り10日を切ったのに、メインストリームメディアからは1分の
放映機会すら与えられていません」

同記事に対する「優良」コメント44件うち(5月3日午後3時現在)、
26件が野党、18件が与党を支持する内容でした。

2013年5月5日、マレーシアの将来が見えてきます。

文 石橋正樹

マレーシアの今を読み解くキーワード

GE 13

4月3日、ナジブ首相が下院の解散を宣言し、マレーシアは1957年の
独立以来最大の混戦が予測される総選挙に突入しました。
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/6caf0d64-9c10-11e2-8485-00144feabdc0.html – axzz2PkJarBKthttp://www.ft.com/intl/cms/s/0/6caf0d64-9c10-11e2-8485-00144feabdc0.html#axzz2PkJarBKt

選挙管理委員会は10日にも投票日を発表する見通しですが、現在のと
ころ4月27日投票説が有力なようです。

与党、野党ともに連立を組んで選挙戦に挑みます。建国史上最も政権
に近い今回の野党連合を率いるのは、アンワル元副首相です。

野党に期待する有権者の多くは、現政権の腐敗体質に変化を求ており、
野党連合は政権を担う力があるかどうか、試されています。

「与党連合が現有の議席数は減らすが、政権交代までにはいたらない」
というのが大方の予測のようで、ロイター通信は「アンワル陣営が政権
をとるとは考え難いが、不可能なことではない」と分析しています。
http://www.reuters.com/article/2013/04/03/us-malaysia-election-parliament-idUSBRE93203Z20130403


はためく与野党旗。街中のいたるところで目につくようになった

ナジブ首相は、外資参入の最大の障壁と言われていたブミプトラ資本規
制を一部を除いて撤廃するなど、積極的に外資を誘致して、経済を牽引
する政策をとってきました。

モルガンスタンレーは、「与党連合の議席が55%を下回ると、投資家に
とってはネガティブな結果となる。また、リーダーシップと国家の安定
に懸念が残る」と発表しています。
http://www.reuters.com/article/2013/04/03/us-malaysia-election-parliament-idUSBRE93203Z20130403

一方で、野党連合の追い風になると指摘されているのが、今回初めて選挙
登録する約300万人の若い有権者です。人口の3割を超えるこのグループ
の数は、前回2008年の選挙時から約25%増えています。

現在の議席数は与党連合137議席に対し、野党連合は75議席。

「選挙結果によって、既定路線のプロジェクトや政策に待ったがかかる恐
れがあるため、投資家にとっても予断を許さない」とみられている今回の
選挙(General Election 2013 = GE13)に内外の注目が集まります。
http://blogs.wsj.com/searealtime/2013/04/03/malaysian-investors-may-get-a-bumpy-ride/

文 石橋正樹

© 2015 Yamanaka Consulting Office

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