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マハティール首相の挑戦、公務員を民営化で削減

マハティール首相の挑戦、公務員を民営化で削減

マレーシアが大きな変革期を迎えようとしています。

肥大した公務員の数と歳出を抑えるため、公共サービスの一部を民営化する動きがあるというのです。報道によると、税関、国営放送(RTM)、国営通信(ベルナマ)などが対象として挙げられています。

コスト削減はもちろん大前提としてあるのでしょうが、マハティール首相のねらいはそこだけではないと思います。

170万人ともいわれる公務員は与党の大票田で、警察も軍も野党に投票することは暗黙のルールとして禁止されていたといわれています。このルールが崩れたことで、誰もが予測できなかった政権交代が起きたのも事実ですが、そもそも流れを作ったのは第一次政権時のマハティール首相です。

西側メディアからは独裁政治だと批判されることもしばしばでしたが、発展途上国だった当時のマレーシアを率いるには、政権の安定が不可欠だと考えていたのでしょう。

ここで功罪の論議をするつもりはありませんが、その後の歴代政権は票田の母体を意図的に拡大してきました。その結果、公共サービスに効率は求められず、ときに腐敗の温床と指摘されるようになります。保護されるばかりで向上することのないマレー系国民の勤労意欲に対し、マハティール首相は公然と叱咤激励を繰り返しています。

自身が敷いたレールの先に国が誤った方向に導かれるのを黙って見ていることなど、決してできないと思います。

ただ、歴史的な政権交代を主導した与党連合も一枚岩ではありません。政権運営では経験値の不足が露呈し、批判の対象となることもしばしばで、1月と3月に行われた州議会の補選ではいずれも与党の候補が破れいています。

政府機関の効率化は与党連合の選挙公約でした。でも、このタイミングで大ナタを振るうことができるのは、きっとマハティール首相以外にはありえないでしょう。

テクノロジーが急速に進む今、単純労働の担い手は大変な勢いで必要とされなくなります。マレーシアが中進国の罠から抜け出せない中、成長著しいベトナムなどが域内での存在感を高めていることも不安要素になり得ます。

民営化が進めば、一時的に混乱することは必至です。すでに、労組は断固反対の声明を出しています。政権の基盤も揺らぐかもしれません。

それでも強烈に問題提起を繰り返すマハティール首相からは、悲壮なまでの強い意志が溢れ出ているように感じられます。

YRCG マレーシアオフィス
石橋正樹

About the author...

通信社勤務を経て、2004年にマレーシアでビューティー事業会社設立。アジア各国メディアとの人脈と起業経験を生かし、商業施設リサーチ、ビジネスマッチング、販促マーケティングでコンサルティングを行う。美容室 76 STYLE を経営するほか、美眉 & 美まつ毛専門サロン3店舗、飲食業4店舗のアジア出店を支援、実現した。また、日本企業のフランチャイズ展開を香港、マカオ、東南アジアで現地企業との間でまとめた。

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