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YRCG: 2019年度予算を読み解く

YRCG: 2019年度予算を読み解く

さて、マレーシアの2019年度予算案が発表されました。

YRCG の CFO で元ビッグ4の Wong Tuck Waiと要点をまとめました。詳細は、プライスウォーターさんがしっかりとまとめられていますので、リンクをご参照ください。YRCG は、そこから読み取る政府方針にスポットをあててみます。

まず、マレーシアには直近の問題と、将来の不安材料があります。前者は外国人労働者への過度の依存を減らすこと、後者は高齢化社会への取り組みです(どこに国でも同じですね・・)。

外国人労働者問題は選挙の争点でもありましたので、現政権はその取り組みを示さなければなりません。また、マレーシア統計局によると、2040年には全人口の14.5%が65歳以上になると予想されます。ちなみに2017年は、その割合がわずか6.3%です。

こうしたことをふまえて、今回の予算案ではインダストリー 4.0 に関する税制優遇、人材育成に関するインセンティブが多く記載されていました。製品開発やスキルアップに関する費用には100万リンギを上限とする二重控除が3年にわたって適用されます。

マハティール首相が歳入を補うことを目的に導入すると発言して話題となった新税は、海外事業者に対するデジタル課税が柱となりました。

実際はデジタルサービスに限らないのですが、音楽や映像のストリーミングサービスやソフトウェアのダウンロードなど、海外の事業者が提供するサービスをマレーシアの企業、または消費者が受ける際に、サービス税が発生します。B to Bは2019年1月、B to C は2020年1月と段階的に課税されます。

税収分野ではこのほか、カジノ関連と不動産の売却益に対する税率が上がりました。ここで初めて知ったのですが、カジノのライセンス料って年間1億2,000万リンギもするんですね。改定後は1億5,000万リンギに引き上がります。

一方で、中小企業に対する法人税は課税所得に対して、最初の50万リンギまでは現行の18%から17%に、50万リンギを超えた部分は同24%から23%にそれぞれ引き下げとなりました。

政府は歳出の抑制を公言していますので、民間企業の投資を後押ししなければなりません。2019年度の GDP 成長率は4.9%を目指しています。

投資に関わるところでは、環境問題に対応するプラスチック生産に投資控除とパイオニア・ステータスが付与されます。パイオニア・ステータスについては、ジェトロのホームページに詳述があります。

世界的にプラスチック製品の環境汚染が問題となっていますが、マレーシアはもう1つ大きな問題を抱えています。それは、パーム油です。生産量で世界第2位ですから、マレーシアの主要産業なのですが、EU が2021年から域内のバイオ燃料計画からパーム油を外すことを決めました。

パーム油製造者が、国連の定める持続可能な開発目標を達成することが困難という理由です。これが実行されれば大打撃となるので、いち早く環境問題への真剣な取り組みを世界に向けてアピールするねらいがあったのではないかとみられます。

最後にちょっと軽いところで、今回は清涼飲料の増税も盛り込まれました。100ミリあたり5グラムの糖分を含むものに1リットルあたり40センの物品税が課されるそうです。いわゆるソーダタックスで、もちろん国民の健康志向を啓蒙するのが目的です。今まで、1缶あたりティースプーン約11杯分もの砂糖が含まれていたわけですから・・・。

健康関連のビジネス参入をねらうなら、夜明けは近いのかもしれません。

YRCG マレーシアオフィス
石橋正樹

About the author...

通信社勤務を経て、2004年にマレーシアでビューティー事業会社設立。アジア各国メディアとの人脈と起業経験を生かし、商業施設リサーチ、ビジネスマッチング、販促マーケティングでコンサルティングを行う。美容室 76 STYLE を経営するほか、美眉 & 美まつ毛専門サロン3店舗、飲食業4店舗のアジア出店を支援、実現した。また、日本企業のフランチャイズ展開を香港、マカオ、東南アジアで現地企業との間でまとめた。

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