【KLマーケット解説4】ミッドマーケットの主流業態はSPA
マレーシアの百貨店や高級モールに軒を連ねる欧米ブランドショップの多くは、ブランド商と呼ばれるプレイヤーがフランチャイズ的に展開しています。そのため、個人店を除いて日本のようなセレクトショップチェーンは少なく、ローカルのアパレルメーカーやバッグ・靴メーカーもありますが外資勢に押され気味です。
また、マレーシアのファッションの主戦場であるモールでは、SPA(製造小売業)業態が中心で、かつては香港のSPA企業が席捲していましたが、今はグローバルなSPA企業の進出により影が薄くなっています。
◆ブランド商
マレーシアでは、クラブ21、ウィンタイ、FJベンジャミン、ロイヤルスポーティングハウスなどのシンガポールや香港を本国とする企業がメジャーです。
かつてはラグジュアリーブランドやイギリスの中級ブランドが主でしたが、ウィンタイ(ユニクロ、トップショップ、香港it)、ロイヤルスポーティングハウス(ザラ、ボッシーニ)、FJベンジャミン(ギャップ)のようにSPAやセレクトショップの現地展開も手がけるようになり、ブランド商の存在感はますます増しています。日本ブランドは、三越伊勢丹と提携し日本法人を設立しているクラブ21での取り扱いがほとんどとなっています。
(写真 ウィンタイが手がけるユニクロ)
◆ローカルメーカー
バッグブランドのボニア(マレーシア)、ライフスタイル提案のブリティッシュインディア(マレーシア)などがメジャーです。百貨店の平場で展開してきたアパレルやファッションメーカーは、モールにあるグローバルなプレイヤーに押され気味ですが、服飾雑貨などではまだ存在感を示しています。また、一部ではオリジナルブランドを開発し、モールでの出店を増やしているプレイヤーも存在しています。
(写真 中高級モールや百貨店には必ず出店しているボニア)
◆SPA
H&M(スウェーデン)、ジョルダーノ(香港)は現地法人で出店しており、パディーニ(マレーシア)はローカルSPA企業です。
モールに出店しているほとんどのファッション業態はSPAであり、大きくグローバル、香港、ローカルのプレイヤーに分けられますが、グローバル系の人気が圧倒的です。一方で、ローカルのパディーニは主力業態パディーニの他、カジュアル業態シード、シューズ業態VINCCIなどの業態ミックスで店舗展開を広げています。
(写真 マレーシア随一のローカルSPAパディーニ)